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最新:フィリピン銀行ランキング

ニュース記事

フィリピンの大手銀行の総資産は、2025年第1四半期に前年同期比で約10%増加しました。これは主に金利の引き下げが要因とされています。

2025年最初の3か月間で、44のユニバーサル銀行および商業銀行の総資産は、前年同期の24.51兆ペソから9.51%増の26.84兆ペソに増加しました。しかし、この増加率は2024年第4四半期の10.02%を下回っています。銀行の総資産は4月末時点で前年同期の25.48兆ペソから5.5%増の26.89兆ペソに上昇しています。

一方、これらの大手銀行の総貸出額は、1月から3月の期間に13.46%増加し、14.03兆ペソに達しました。これは前年同期の12.32%をわずかに上回るペースです。前四半期比では、貸出成長率は2024年第4四半期の13.59%から減速しています。

資産と貸出の両方の成長は、インフレの鈍化に起因すると考えられます。インフレの鈍化は、BSPが金融緩和サイクルを継続するきっかけとなりました。金利が低くなると借り入れコストが安くなるため、より多くの個人や企業が融資を受け、貸出活動が活発になります。第1四半期のインフレ率は平均2.2%で、BSPの目標である2~4%の範囲内でした。BSPは昨年8月に金融緩和サイクルを開始して以来、合計100ベーシスポイント(bp)の金利を引き下げました。2月の会合では政策金利を5.75%に据え置いたものの、4月にはさらに25bp引き下げて5.5%としました。

不良債権(NPL)比率、総貸出ポートフォリオに占める不良債権の割合は、第1四半期に3.16%でした。これは2024年第4四半期の3.11%よりは高いものの、前年同期の3.6%よりはわずかに低い水準です。貸出は、契約上の期日から90日以上元本または利息が未払いの場合に不良債権と見なされます。これらの不良債権は、借り手が債務不履行に陥る可能性が高いため、貸し手の資産の質にリスクをもたらす可能性があります。

また、銀行の自己資本利益率(RoE)の中央値は、収益性を示す指標ですが、前年同期の8.01%から7.3%に低下しました。RoEは、純利益を平均資本で割った比率で、株主が企業に投資したペソごとにどれだけの利益を上げているかを測ります。

さらに、これらの大手銀行の自己資本比率(CAR)の中央値は、リスク加重資産に対する損失吸収能力を示す指標ですが、この期間に19.71%に達しました。これは2024年第1四半期の19.64%よりわずかに高いものの、2024年第4四半期の20.73%よりは低い水準です。この比率は、中央銀行が設定した規制上の最低基準である10%と、バーゼルIIIフレームワークに基づく国際的な最低基準である8%を大きく上回ったままです。

レバレッジ比率は、銀行の総エクスポージャーに対する自己資本を測定することで、金融機関がショックを吸収する能力を測る指標ですが、この期間の中央値は11.27%でした。現在の数値は、中央銀行の5%のガイドラインと国際基準の3%を上回っています。

この期間中、大手銀行の純利ざや(NIM)は前年同期の3.32%から3.76%に上昇しました。これは、年間純利息収入を平均収益資産で割ることで、銀行の投資効率を示す指標です。一方、総資産利益率(RoA)は、資産1ペソあたりに生み出される利益を測る指標ですが、第1四半期に前年同期の1.6%から1.71%に上昇し、2024年最後の3か月間の1.55%からも上昇しました。

大手銀行のランキング

第1四半期において、BDO Unibank, Inc. (BDO) は総資産で4.83兆ペソとなり、引き続き最大の銀行でした。次いで、Metropolitan Bank & Trust Co. (Metrobank)が3.51兆ペソ、Land Bank of the Philippines (LANDBANK)が3.45兆ペソでした。

SM財閥のBDOは、総貸出額でも3.25兆ペソで首位を維持しました。次いで、Bank of the Philippine Islands (BPI)が2.29兆ペソ、Metrobankが1.83兆ペソでした。

預金に関しては、BDOが3.84兆ペソで業界をリードし、LANDBANKが3.03兆ペソ、BPIが2.58兆ペソと続きました。

資産が1000億ペソ以上の銀行の中では、Security Bank Corp.が32.7%で最も高い年間資産成長率を記録し、Citibank NA(24.71%)、Rizal Commercial Banking Corp.(17.3%)が続きました。

貸出成長率では、Asia United Bank Corp.が33.51%で最も積極的な貸し手となり、China Banking Corp.(18.47%)、Security Bank Corp.(18.42%)が続きました。

総評

として、フィリピンの大手銀行は金利引き下げを背景に、資産と貸出の両面で堅調な成長を続けています。不良債権比率は低水準を維持しており、自己資本比率も規制基準を大幅に上回るなど、健全性が保たれています。収益性を示す指標は一部低下が見られるものの、全体的には安定した財務基盤を維持していると言えるでしょう。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2025/06/09/677830/assets-of-philippines-largest-banks-expand-by-9-5-in-1st-quarter/

家村 均