国際コンテナターミナルサービス社(ICTSI)、第3四半期の業績は予想を上回る
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国際コンテナターミナルサービス(ICTSI)は、2025年第3四半期(3Q25)に予想を上回る堅調な業績を達成しました。3Q25の売上高は、前年同期比で20%増加し、8億2,800万米ドルに達しました。この成長は、取扱量の12%増に加え、コンテナ構成の改善、関税調整、および付帯貨物収入の増加に支えられたものです。特にエクアドルでの貿易正常化が追い風となりました。新規または事業を停止したターミナルを除いたベースでも、売上高の伸びは16%と力強い水準を維持しています。
純利益も好調で、3Q25は前年同期比26%増の2億6,800万米ドルを記録しました。これにより、9ヶ月間の累計純利益は7億5,160万米ドル(前年同期比19%増)となり、通期予想の79%を達成しました。また、EBITDAは、ネットワークの規模拡大、有利なコンテナ構成、および効率化策が奏功し、為替の逆風があるにもかかわらず、前年同期比22%増の5億5,300万米ドルに拡大しました。9ヶ月間の累計EBITDAは15億4,000万米ドル(同17%増)となり、EBITDAマージンは66%を維持しています。
一方、営業費用は、取扱量の増加、賃金上昇、および貨物拡大を主因として前年同期比11%増加しましたが、為替による軽減効果と生産性向上によって一部相殺されました。設備投資(Capex)は、メキシコ、フィリピン、バタム、ブラジル、コンゴ民主共和国(DRC)でのターミナル拡張による将来の能力増強に向けて、年間計画5億8,000万米ドルに対し、累計で4億5,000万米ドルに達しています。
市場環境としては、経営陣は世界的な需要の持続、有利なコンテナ構成、およびM&Aの選択肢に対し、引き続き建設的な見方を示しています。この好調な業績と前向きな見通しを受け、ABキャピタル証券は「OUTPERFORM(市場平均を上回る)」の投資判断を維持します。
総評:
ICTSIは、堅調な取扱量と戦略的なコスト管理により、第3四半期に力強い業績を達成しました。ネットワークの規模、規律あるコスト運営、および戦略的なターミナル拡張により、同社は今後も持続的な取扱量と収益力の維持が期待されます。このポジティブな中期的な見通しは、今後の継続的な株価の再評価の可能性を裏付けるものです。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20251107のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約し、筆者のコメントを加えたのです。
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