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フィリピン、エネルギー非常事態を宣言 ―中東危機が突きつける脆弱性ー

ニュース記事

フィリピンのマルコス大統領は2026年3月25日、中東紛争がもたらすエネルギー供給リスクを理由に、国家エネルギー非常事態を宣言しました。この宣言は1年間有効で、政府に通常の調達手続きを省略し、燃料・石油製品の確保に即座に動ける権限を政府に与えるものです。

大統領令では、中東の紛争が世界のエネルギー市場に不確実性をもたらし、サプライチェーンに深刻な混乱を引き起こすとともに、国際原油価格に著しい上昇圧力をかけており、フィリピンのエネルギー安全保障に脅威を与えていると明記されています。

フィリピンのガリン・エネルギー長官は、現在の消費水準に基づくと国内の燃料備蓄は約45日分に相当すると説明しました。 政府はこの状況に対処するため、東南アジア域内外の国々から計100万バレルの石油を調達してバッファーストックを積み増す方針ですが、次回以降の発注については不確実性が残ると述べました。

マルコス大統領はまた、財務省に対し、中央銀行と連携して中東紛争がフィリピン・ペソや海外送金に与える影響、ならびにペソ下落のリスクを注視するよう指示しました。

一方、国内では批判の声も高まっています。上院では政府の危機対応が統一されていないとして、与党への批判が噴出しています。経済計画相は、原油高がここ数年で最も高いインフレをもたらし、経済成長を鈍化させる恐れがあると警告しています。さらに、運輸労働者や消費者団体は、燃料価格の高騰とマルコス政権の対応の遅さに抗議するため、木曜日から2日間のストライキを計画しています。 

【総評】

今回の非常事態宣言は、中東情勢という外的ショックに対するフィリピンの構造的脆弱性を改めて浮き彫りにしました。約45日分という備蓄水準の薄さは、有事における政策余地の乏しさを示しており、エネルギー安全保障の抜本的な強化が急務です。政府が迅速な調達権限を手にした今、その実行力と透明性が、国民の信頼回復と経済の安定維持を左右する最大の鍵となるでしょう。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2026/03/25/738553/philippines-declares-energy-emergency-over-middle-east-conflict-risks

家村 均