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航空事業が牽引するJGサミットの底力 ―石化撤退という「痛み」を越えて―

ニュース記事

フィリピンを代表するゴコンウェイ財閥系の複合企業グループ、JGサミット・ホールディングスは2025年通期の業績を発表しました。グループ全体の連結売上高は前年比9%増の3,686億ペソに達し、旅行・レジャー関連事業の好調と食品・飲料部門の継続的な出荷増加が成長を後押しました。一時的な特殊要因を除いたコア純利益は319億ペソとなり、レジャー関連事業の力強いパフォーマンスと時価評価益の恩恵を受けた形となりました。

航空部門では、格安航空会社のセブ・エアが成長をけん引しました。航空事業が二桁成長を達成し、2025年に無償提供されたエンジンによる42億ペソの特別利益もグループ全体の損益を下支えしました。 不動産部門では、ロビンソンズ・ランド・コーポレーション(RLC)が売上高13%増の484億ペソ、純利益8%増の135億ペソを達成し、商業施設・ホテル・住宅の各分野がそろって回復しました。食品・飲料部門を担うユニバーサル・ロビナ・コーポレーション(URC)は、売上高が4%増の1,680億ペソと堅調な増収を記録しましたが、コーヒー原材料費の高騰が利幅を圧迫し、純利益は5%減の110億ペソにとどまりました。 フィリピン国内のブランド消費者食品、砂糖・再生可能エネルギー部門、マレーシア事業が成長を支えた一方で、動物栄養・健康部門の低迷やインドネシアでの年央の失速が重荷となりました。

一方、グループ最大の懸案事項は石油化学事業の処理でした。グループは石化子会社のJGサミット・オレフィンズ・コーポレーション(JGSOC)の操業停止にともなう1,143億ペソもの巨額資産減損を計上し、最終損益は879億ペソの純損失となりました。前年の213億ペソの黒字から一転しての大幅な赤字ですが、これはあくまで石化部門撤退に伴う一時的な会計上の処理によるものです。JGSOCはフィリピン唯一の一貫型石油化学製造拠点としてバタンガスに設備を持っていましたが、慢性的な業界低迷と収益悪化を受け、グループはついて撤退を決断しました。

総評:

JGサミットは、JGサミット・オレフィンズという重荷を切り離すことで、グループの事業構造を大きく塗り替えようとしています。セブ・エア、ロビンソンズ・ランド、ユニバーサル・ロビナという「消費に密着した三本柱」が着実に利益を積み上げており、コングロマリットとしての底力が改めて示されました。2026年以降は世界経済の不確実性をどう乗り越えるかが問われますが、ポートフォリオの再構築を終えたグループの次の一手に注目が集まります。

https://www.bworldonline.com/corporate/2026/03/26/738716/jg-summit-profit-grows-to-p31-9b-on-leisure-gains

本コラムは、上記リンクのニュース記事の内容をベースに、筆者の見方、コメントなどを加えたものです。

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家村 均