外国人投資家は、フィリピンのどの株を買ってる?
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このレポートは、フィリピン市場における外国人投資家の動向と、それに基づく投資戦略について述べています。以下がその主な要点です。
2023年末時点で外国人投資家の所有率は23%でしたが、2024年7月までの間に24.1%にわずかに回復しています。これに対して、2020年末の所有率は26.3%であり、依然として過去の水準には達していません。
年初来、外国人投資家の買いが集中しているのは銀行と通信セクター、およびICT(国際コンテナターミナルサービス)やACEN(アヤラ・エネルギー)などの特定の株式です。一方、同じ期間に外国人投資家は不動産および消費関連銘柄を売却しています。
過去5年間(2019年~2024年7月)のデータを見ると、41銘柄中、外国人所有率が増加したのは9銘柄のみで、多くの銘柄で所有率は減少しています。
外国人所有率が大幅に増加した銘柄には、CNPF、ACEN、AP、CNVRGがあり、これらの銘柄の多くは年初来で大きなパフォーマンスを見せています(APを除く)
逆に、外国人所有率が大幅に減少した銘柄には、BPI、URC、BLOOM、MEG、ALI、AGI、FLI、RLC、MBT、MWCが含まれます。
このデータから得られる示唆として、フィリピン市場は外国人投資家にとってしばらくの間不人気であったことが伺えます。しかし、これは潜在的なカタリストと見なすことができ、下振れリスクを限定しつつ、マクロ経済の状況や市場センチメントが改善すれば上昇余地があると考えられます。
また、現在のフィリピン市場では「混雑した」トレードが少ないため、すでに好調な銘柄にもさらなる上昇余地があることを示唆しています。
おすすめ銘柄の中で、MBT(メトロバンク)、JFC(ジョリビー・フーズ)、ALI(アヤラ・ランド)、ICT(国際コンテナターミナルサービス)、MWC(マニラ・ウォーター)は、いずれも外国人所有率が大幅に減少しています。
全体として、外国人投資家の動向はフィリピン市場に新たな機会を提供しており、特定のセクターや銘柄に集中した外国人買いの傾向を分析することが重要です。これにより、将来的な市場回復時に高いリターンが期待できる銘柄が明らかになります。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20240911のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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