SM財閥・好決算+堅調な業績見通し
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SM Investments Corporation (SM) は、2023年度の通期利益が前年比24.8%増の770億ペソとなり、市場予想通りの堅調な業績となりました。第4四半期も前年同期比12.2%増の211億ペソの利益を計上しています。
好調な業績を牽引したのは、消費財部門のSM Retailと不動産部門のSM Prime Holdings (SMPH)でした。SM Retailの年間売上高は前年比10%増(第4四半期は+4%増)、SMPHの収益は前期比33%増(高水準のベースにもかかわらず)と堅調でした。
一方、銀行部門の Banco de Oro (BDO) と China Banking Corporation (CHIB) は、自己資本收益率 (ROE) が約15%と引き続き堅調な貸し付け残高を示しました。
BDOの利益は、融資残高の9.1%増に後押しされ、前年同期比29%増となりました。CHIBの利益も15%増と堅調に推移しており、貸出金利回りは横ばいながらも、融資残高は前年同期比+10%の伸びを維持しています。
注目すべきは、新興事業であるネオ、ゴディロックス、2ゴー、フィリピン地熱発電会社 (PGPC) が、総売上高の約8~9%を占めるまでに成長している点です。これら新興事業は、SMの収益性の向上に貢献しています。
ABキャピタル は、SMのアウトパフォーマー (OP) レーティングと目標株価1,250ペソを継続することを支持しています。これは、市場コンセンサスの平均目標株価である1,189ペソを上回っており、30%を超える上昇余地を示唆しています。SMの各子会社が今後も好調な構造的トレンドに支えられ、業績向上が見込まれるとしています。
SMの株価は今年に入ってから市場平均並み (+7.45%) で推移しています。また、外国人投資家による純買越額が上位3位に入るなど、海外投資家からの注目も集まっています。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20230304のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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