マニラ電力の目標株価を引き上げ by AB Capital
ニュース記事
マニラ電力(MER)は、2025年第1四半期に前年同期比11%増となる112億ペソのコア利益を報告しました。この結果は市場予想とほぼ一致し、AB Capitalの通期予想の約24%、コンセンサス予想の約23%を達成しています。
配電(DU)部門の販売量は前年同期比1.5%増にとどまりましたが、これは前年同期にエルニーニョ現象による高温やうるう年効果により販売量が9.0%も急増していたことが影響しています。特に商業用の販売量は、POGO(フィリピンオンラインゲームオペレーター)の撤退の影響を受け、1.3%増にとどまりました。
一方、発電部門のコア利益は25%増加し、34億ペソに達しました。特にMeralco Thermal社は、発電所の稼働率向上やビサヤ地方における予備電力市場への参画により、利益が前年同期比307%と大幅に増加しました。また、新たに開始したLNG(液化天然ガス)発電事業からの貢献も、発電利益の成長を後押ししました。
ABキャピタルのアナリストは、マニラ電力に対して「アウトパフォーム」の評価を継続し、目標株価を605ペソに引き上げました。この目標株価の引き上げには、発電事業の拡大と、2028年に期限を迎える予定だったフランチャイズ契約が25年間延長されたことが織り込まれています。なお、マニラ電力の株価は年初来市場をアウトパフォームしており、引き続き外国人投資家からの資金流入が期待されています。
総評
マニラ電力は、堅実な発電事業の成長により、安定した業績を維持しています。フランチャイズ契約延長や発電分野の拡張が今後の成長を支える要因となりそうです。引き続き安定的な投資先として注目されます。
本記事は、フィリピンの証券会社・ABキャピタル証券の20250429のレポート・ The Opening Bellから抜粋、要約したものです。
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